foodpanda(フードパンダ)日本撤退のニュースに見る配達員確保の重要性

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みなさん、メリー・クリスマス・イブ!(※この記事公開時はクリスマスイブでした)

この歳になると12月24日は色々昔を思い出して少しセンチメンタルになりますね(ならないか)

そんな年の瀬のクリスマスの前々日に、ドイツのデリバリーヒーロー運営の、foodpanda(フードパンダ)が日本からサービス撤退するという衝撃のニュースが舞い込んできました。

ドイツの料理宅配「フードパンダ」日本撤退 事業売却へ
料理宅配サービス「フードパンダ」を運営する独デリバリーヒーローは22日、日本から撤退すると発表した。2022年3月末までに事業を売却する計画。ドイツでのフードパンダ事業の縮小も発表した。料理宅配市場は成長が続き参入が相次いでいたが、競争が激しくなり、勝ち負けが目立ってきた。22年1~3月期をめどに日本から撤退する。デリ...

記事によると、競合他社との競争が厳しくなり、配達員の確保が困難になったことが理由の筆頭として挙げられていました。

配達員の確保ってそんなに重要なの?と意外でしたが、確かにフードデリバリーサービスのビジネスモデルを考えると、赤字だ黒字だ以前に、ピーク時などに高単価の注文をさばけないのが一番の機会損失なので、やはり配達員というマンパワーをいかに柔軟に調達できるかが、サービスの存続にかかっているのかなと、改めて推測した次第です。

注文アプリのユーザー数は好調だったが…

個人的には、foodpanda(フードパンダ)のアプリのUX(ユーザーエクスペリエンス)…というかもっと平らに言って使用感はとても良いかなと、思っていました(一番だと思っているWolt(ウォルト)に肩を並べるくらいです)。

実際、注文アプリの月間利用者数(MAU)は、’21年9月の日経記事によると、4位にまで急成長していたようです。

フードデリバリーアプリ利用、2強以外も急増
新型コロナウイルスの影響が1年半以上にわたる中、人々の食生活がニューノーマルを見出しつつある。自宅にいながら質の高い食事を楽しめるフードデリバリーアプリの飛躍的な成長がその象徴だ。フラー(新潟市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」によると、フードデリバリー系月間利用者数(MAU)上位5アプリの...

何より、ピンクのパンダという強烈なインパクトと、渡辺直美さんを起用したCM、マックをはじめとするチェーン店に強い(安く注文できる)というブランドイメージができていて、注文者から見ると、ついアプリをタップしたくなる会社だったように思えます(あくまで個人的な感想です)

配達員確保に苦戦した理由

一方、そんなアプリの優れたUXやブランドイメージの確立の裏で、配達員の確保に苦戦していたというわけですが、その理由は何なのでしょうか?

ざっと、ツイッターでの話題を拝見したところ、

  • シフト制が面倒
  • 配達員向けのサポートが良くない

といった声が上がっていました。

もっと改善すべき点もたくさん挙げられていましたが、僕は外部から拝見しているだけですので、おおまかに上記のような理由がメインなのかなと推測しています。

とりあえず、シフトがあるっていうのは、面倒そうですね。。個人事業主型のフードデリバリー配達員の働き方の最も良い点が犠牲になっていると思います。

そのあたりが、柔軟にマンパワーを確保できなくて、機会損失を招いたということだと推測しています。

配達員確保がなぜ重要なのか?ビジネスモデル上の分析

しかし、なぜそこまで配達員確保が重要なのでしょうか?

これについて、仮説レベルですがビジネスモデルを踏まえて分析します。

冒頭で「ピーク時などに高単価の注文をさばけないのが一番の機会損失」と申し上げました。

一般に、フードデリバリーサービスのビジネスモデルでは、1回の配達につき、運営会社からお金が出ていく配達員の報酬は基本料金+距離料金的なもの+インセンティブで決まりますが(※簡単のため配達員から運営に払う手数料は控除済みとします)、運営会社にお金が入ってくる店舗からの手数料は、注文単価×比率(30%~40%程度)で決まっていますので、1件当たりが高単価の注文ほど利益率が高いと考えられます。

この注文を取りこぼさなければ利益が上がるし、ましてやスリコ配達員をマッチさせれば爆益!というのは、どなたでも想像できることだと思います。

ところが、この高単価注文というのは、ピーク時もそうでない時も平均的に発生するものではなく、ピーク時により多く偏って発生すると僕は考えています。

たとえば悪天候時に発生するピークでは、財布のひもが緩むというのもあるでしょう。

さらにそのような時には、高単価の注文者の典型であるファミリー世帯などは、より顕著に財布のひもが緩むのではないでしょうか。

と、まぁこのように、非常に個人的な感覚だけでモノ申しておりますが、とにかく高単価注文はピーク時に偏在しているはずだ!と主張させていただきます。(今までの配達履歴において注文金額とピークタイム、天気などと紐づけて回帰分析などすれば真偽のほどが明らかになると思うのですがここでは割愛させていただきます)

したがって、運営会社側にとっては、配達報酬を全般的に安く抑えるのももちろん重要な施策ですが、とにかくピーク時に配達員を十分に確保し、利益の源泉となる高単価注文を取りこぼすことのないようにするのが死活問題である、と僕は考えました。

ぶっちゃけ、副業勢は安く確保できるの?

では、ピーク時の注文も十分にさばけるように配達員を確保するにはどうしたら良いのでしょうか。

一般に、会社で従業員を増やすとなると社会保険料の負担分などの固定費が増大し利益を圧迫します。

一方、ギグワークの文脈で語られている業務委託(個人事業主)タイプの配達パートナーは、固定費がほとんどかからないので、増やして困ることはほとんどないと考えられます。つまり利益を獲りに行くには「とにかく増やせ!」ということでしょう。

この配達員を増やす戦略のカギを握っているのが副業勢の動向です。

つまり「副業勢をどれだけ取り込むことができるか」が勝利のカギだということのようです。

実はこの考えは僕のものではなく、出前館法人パートナーのウサ氏(@asakusadelivery)の考えなのですが、大変参考になりました。データに基づく分析もされていますが、なにより経営者として最前線に立つ中で得られた肌感覚なのではないでしょうか。

しかも、副業勢は多少安い報酬でも確保することができる、ということです。

今まで僕は、副業勢というのは本業の収入があるので、それを超えるような魅力的な高報酬でないと食指が動かないと思っていましたが、実際はその逆で、本業の収入があるので、多少報酬が低くても良いと考えるほうが、より一般的なのではないかということです。

確かに、給料というのはその人が生活していくために必要な経費で決まっている、という説もありますので、そういう意味では既に本業の収入がある人は、あまり高い給料(=報酬)は必要ないと考えるほうが自然であると言えるでしょう。(こうして僕は考えを改めた次第です)

紹介料か、高報酬か。フードデリバリー各社の配達員獲得戦略

これまでの話で、配達員確保の重要性が自分でも何となく腑に落ちてきた気がしますが、ここで改めてフードデリバリー各社の配達員獲得戦略を見てみますと、例えば、

出前館は業界で類を見ない高報酬で配達員をひきつけ、Uber Eats(ウーバーイーツ)は最大3.5万円という高額の紹介料(※本記事作成時点の金額です)を支払ってまで配達員を集めています。

また、Wolt(ウォルト)やmenu(メニュー)、DiDi Food(ディディフード)といったその他の会社は、紹介料制度があるのでどちらかというとUber Eats寄りの戦略でしょうか。

出前館方式と、Uber Eats+その他方式で、どちらも配達員を増やす方向にはなりますが、出前館方式の場合、今の高報酬はどう考えても成り立っていないので固定費が増えて利益を圧迫しているのと同等であるのと同時に、この高報酬が続けられなくなると配達員が離脱してしまい、全ての努力が水の泡になってしまうというリスクがあるでしょう。

一方、 Uber Eats+その他方式では、とにかく確率論で言えば、一定数割合いる「安くても働いてくれる配達員」が少しでも(たとえば10%くらいでしょうか)定着して長く働いてくれれば、紹介料だけで離脱してしまった配達員がもたらした赤字を補って余りある利益になると考えられますので(書いていていやになってしまいましたが…)、高額の紹介料といえども比較的低リスクな投資だと考えられます。したがって、とにかく足りなければ紹介料キャンペーンを打って、足りるまで増やし続けるだけで良い、ということになるでしょう。

したがって、どちらが好手かというとやはり、 Uber Eats +その他の方式のほうに軍配が上がるのではないでしょうか。

意外?ドイツ株式市場の反応は良好(ニュースを受けて株価7%上げ)

さて、話はそれましたが、foodpanda(フードパンダ)の話題に戻しますと、デリバリーヒーロー社の今回の日本市場撤退を含む事業縮小のニュースに対し、株式市場の反応は良好だったようです。

ドイツ本国での縮小が好感を持って受け止められたということですが、今後は新興国など、稼げるエリアに選択と集中をしていくのでしょうか。

引き続き、ピンクのパンダの進む道を見守ろうと思います。

ドイツ株22日 続伸 料理宅配のデリバリーヒーロー高い
【NQNロンドン】22日のフランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて146.03ポイント(0.95%)高の1万5593.47だった。午後に一時下げる場面もあったが、米国株高に伴いドイツ株は上昇に転じた。国内の一部事業の縮小な
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